解消へと向かう私達であったが、
問題は次から次へと訪れるもので、今度は私の職場の話になる。
その時の私の職業は歌手だった。
都内で毎日、歌って踊って稼ぐ。
この頃の時給で言えば3,000円程。労働時間は長くて4時間。
激しい踊りで前髪が乱れた。腕の向きが僅かに違う。そんな些細なペナルティーもある事で収入が安定しない時も度々あった。
結局時給が上がっても給料形態から、中々稼げずに、その理不尽なペナルティー攻撃には憎悪がわきあがる程。
だからこそ、私はオーナーに憤りを感じていた。
職場ではメインにもなり、私が居なければユニットもままならない程、重要なポジションにもなれた。
当然、私のソロ活動、メンバーとの音楽活動よりも、夜の仕事に時間を割いたからこそ。
重要なポジションになった事で休むことさえ絶対に許されなければ、1日休む事で3日分の減給。そして、理不尽なペナルティー攻撃。
稼ぐ事が出来ない休めない仕事。
増えない収入に対して、更に増える準備と練習。
入店した子はオーナーの厳しさに耐えれず、次から次へと辞めていく。
また退社条件が兎に角厳しく、バックレるなんて事をしたら裁判にまで持っていく程の徹底ぷり。
唯一このお店で耐え忍べた理由、
某社長、会長、有名な芸能事務所の凄い方々の前で披露できる事。
凄い人達と触れ、経験値を上げる事が自分への向上心へと繋がっていたから。
しかし、いくら頑張ってもお金が増える事はない。
本来であれば掛け持ちすら禁止されていたが、
それでも生活がままならない以上致し方なく内緒で始めた。
その掛け持ち先の職場は、
K氏と同じ職場で働く事となった。